松本選手ファントムEPで復活!その3
皆さんこんにちは!京商SS開発担当の浜崎です。
今回も、先週に引き続き松本選手のファントムEP 4WDの製作動画をお届けします!
さて、先週のブログで前後アクスルが完成した松本車、今回はその続きの「メカプレートとチェーンの組立て編」をご紹介していきます!
この動画をご覧いただき、少しでも皆さんの組立ての参考にしていただけると嬉しいです。
では、早速下記の動画をご覧ください。
後半は随分と省略してしまった感がありますが、メカ類の搭載については使用する機器によって配線の取り回しが変わってきますので、出来るだけスッキリと配線を引っ張らず可動部分に干渉しない様に組む事が重要です。
さて、松本選手の車も無事に完成した事ですし、ここで83年当時モノのファントムと復刻版の違いをちょっとご紹介します。
<復刻版ファントムEP-4WDと当時モノの違い>
(1)タイヤ
当時はユーザーが自分でゴムボンドで接着し、タイヤセッターで角落としと整径を行なっていましたが、復刻版ではキット、スペアパーツ共に工場でフロント48mm/リヤ53mmに接着整径済みとなり、煩わしいタイヤの接着やタイヤセッターによる整径は不要です。これならすぐに走れますね!
更に標準のタイヤ径を最大の径に設定しているのでタイヤが減りやすい路面でも、より長時間走行を楽めて経済的(標準状態で前後とも約6mmの車高になります)。タイヤのコンパウンドも以前から大きく変わり、減り易いスポンジ系から今主流のラバー系素材に変更されています。
フロントには路面を選ばず適度なグリップを発揮するゴム質が多いオールマイティな素材でやや硬めの硬度に設定、リヤタイヤには最もグリップの高い素材の少し柔らかめの硬度に設定。標準タイヤで駐車場や空き地、アスファルトのサーキットはもちろん、カーペットやエンジンカーが走るオイルサーフェスのサーキットまでオールマイティに対応するので、色々な種類のタイヤを揃える必要が無く、ワンメイクタイヤで仲間内のレースも手軽に楽しめます。
(2)ボディマウント
当時プラスチックだったボディマウントがアルミ削り出しのピカピカになりました。さらにリヤボディマウントの取り付け位置はシャシーのたわみを邪魔しない後期型のExtと同じメカプレート後部に変更されています。チェーンが通る右側のマウントにはチェーンとの干渉を避けるためにDカット加工が施されています。
(3)デフギヤ
0.6mmモジュールから最近主流の1/48インチピッチ(0.52mmモジュール)に変更され、細かなギヤ比変更が可能。そして、シャフトが長いルマン480Tモーターを併用する事で市販のピニオンがそのまま使用できます。先日のテストではPNGS4827(27T)を装着しました。
またデフギヤはスプロケットジョイントが大きな円盤状になり、2点から4点止めに改良され強度がグーンとアップ。更にデフ中央部分に5x8x2.5mmベアリングが追加され、デフの作動をより正確にスムーズな動作が得られます。
※当時は一部のワークスのみが自作加工によりベアリングを追加してレースに使用していましたが、市販されませんでした。
(4)ビス
オールヘックスビスになり、主要部分を2mmのヘックスレンチで組み立てられます(一部2.5/1.5mmを使います。)のでしっかりと締めつけられますね。
(5)アルミパーツ
モーターマウント、ナックルアーム、フロントアクスルマウントが当時のアルミ押し出し成型から贅沢なアルミCNC加工に変更され、高精度で質感がグンとアップしました。
(6)モーターの取付位置
当時オプションパーツとして販売されていた削り出しモーターマウントと同じ約2mm下がった位置が復刻版では標準仕様となり低重心化。
(7)メインシャシー
当時はプレスにより断面がややバサバサしていましたが、CNC加工製となり高精度はもちろん、見た目の質感が大幅アップ。
(8)メカプレート
当時は巻き線抵抗+ミニサーボの組み合わせのレイアウトでしたが、復刻版ではESC搭載に合わせてデザインを改良。
ルマン240ESCがボルトオンでメカプレートに固定できるレイアウトを採用しました。
(9)フロントスプロケット
当時はプラスチック製のフロントスプロケットにアルミ製のワンウェイハウジングが圧入されていましたが、ハウジングとスプロケットをスチール一体の削り出し加工品に変更し、圧倒的な強度アップと高精度を実現し、近代パワーユニットに対応しました。
(ただし、対応するのは21.5Tのブラシレスモーターまでです。)
(10)ボディとデカール
当時は数種類のボディが販売されましたが、復刻版では人気が高かったBWスパイダーをチョイス。以前は職人が作った木型を元に鋳造により金型を製作して作られましたが、復刻版ではCADデータから切削加工した金型を使用する事でボディの精度が大幅にあがり、左右対称はもちろんホイールアーチの罫書線からマウント穴のポンチマークまで高精度化され、迷わず正確に仕上げられます。
デカールは当時はロゴのみが付属し、カラーリングは好みでユーザー自身が塗り分けるスタイルでしたが、復刻版は白1色の塗装で鮮やかなパッケージカラーを再現可能(人形部分は別)で、ダイカットされているデカールを標準装備。しかも筆塗ではなかなかリアルに再現するのが難しいドライバー人形のヘルメットのシールド、ライン、シートベルト、コックピットのメーター、黒淵などリアルに再現するデカールも付属し、私の様に塗装が不得意でも短時間で失敗せずにボディを仕上げる事が出来ます。(ボディ塗装のコツは次回ご紹介します。)
細かく説明すると、意外と違いが多い事に気付きますね。
さて、次回は松本選手と高麗選手のレジェンドドライバーによるファントムのシェイクダウンとややマジモード?でのバトルの様子などをご紹介します。
もうしばらく猛暑が続きそうですが、皆さんコロナと熱中症への対策をしっかりと行なって体調に気を付けながら真夏のRCを楽しんでください!
では。