なつやすみを終えて
灼熱の太陽の下、まるで温室の中にいるような暑さと息苦しさに
くらくらしてしまいそうな今年の夏。
それでも夏休みの終わりを知っているかのように、
夜はリンリンという虫の音が聞こえるようになってきました。
今年の夏はいつもとは違う夏、と言うのは大人だけで、
子どもたちはこんがりいい色に焼け、思い思いの楽しい夏休みを過ごしたようです。
みやかみ幼稚園では夏休み前と夏休みの終わりに自由登園の期間を設けました。
身体が小さい子ども達に焼けるような夏の日差しの中、
マスクをしての園生活には不安もありましたが、子ども達は毎日おでこに光る汗に負けないくらい眩しい笑顔でやってきます。
夏休み明けに子ども達に会うと、その肌の黒さと背がスラリと伸びたことに驚かされます。
サンサンと降り注ぐお日様の下で元気いっぱい遊んだ子たちは
文字通りひと回りもふた回りも成長したようです。
ホールでは子どもたち同士が人気の車を囲んでなにやら話し合っている様子。
年少さんの男の子も乗りたくなってしまったようですが、まだお兄さんたちは遊んでいる途中。
話の中身までは聞こえてきませんでしたが、どうなるかな、と遠巻きに見ていました。
年少さんの男の子は持っている言葉でお兄さんたちに交渉しています。
お兄さんたちもなんとなくわかっているようでしたが、決定的な言葉がなかったようでそのまま遊び続けています。
声をかけに行きたくなる足にじっと根を張り、見つめていると、たまらず年少さんの男の子は退却。
あ〜あ、介入したらよかったかなあと思っていたら、男の子が向かったのは担任の先生のところ。
同じく先生も背中におめめがあったかのように事の顛末を見ており、男の子に一言だけ伝えます。
「貸してって言うんだよ。」
そしてまたお兄さんのところに駆け寄り自分の気持ちを伝えられたようでした。
夏休みが終わると、幼稚園のムードは一気に運動会へ向かいます。
先生たちも夏中、運動会の準備に毎日忙しそうでした。
今日はおへやでどうぶつ体操を踊っていました。
その場に立って次はなんのどうぶつが出てくるだろうと楽しそうに表現する子どもたち。
そんな輪の中に「エビカニクスがよかった」と落ち込む男の子がいました。
こんな時先生はどうするんだろう?ふと疑問に思い見ていると
「そっかぁ、じゃあ明日はエビカニクス踊ろうね」と決して無理強いはしませんでした。
子どもがやりたくない!と言ったら、あの手この手を使ってやらせようとしたくなるのがわたし達大人の悪いところです。
でも、先生はやりたくないと言う子どももちゃあんと受け止めていました。
そしてこの時だけじゃなくて、お帰りの時には個別に
「明日はエビカニクスやろうね」と再び声をかけていました。
きっとこの子は明日、自ずから「やりたい!」
そう思ってくれるだろうと感じさせられる一コマでした。
そして言われて無理やりやることよりも、進んで参加できるようになることが心と身体の成長に繋がるのだろうと感じました。
これから運動会の練習が本格化してきます。
子どもたちの気持ちに寄り添いながら、子どもたちの成長を見守っていけたらと思います。
次回もお楽しみに。
(おかげさまで2018年の春に始めたみやかみ幼稚園のブログは今回でちょうど100回目を迎えることができました。100回ってとっても大きな数です。これからもみやかみ幼稚園のいいな、と思うところをお伝えしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。)