イタリアン・モザイクのブローチ
イタリアン・モザイクのブローチ(共に直径2,7 cm)、時代は1910〜20年。左の物はモザイクのピースが細かいです。これくらい細くて綺麗だと、ブローチとして付けなくても持って眺めているだけでうっとりします。状態もいいです。最近ブローチとか指輪が余り売れません。コロナで皆さん出掛けないから、人に見せる為の物が売れないようです。その代わり、家に籠って一人で触ったり眺めていたり出来る物が売れますね。まあ、癒されたい、と言う気持ちですかね。
僕自身も今年はイギリスに行けない、何時もは二ヶ月も過ごしているイギリスに全く行けないので、イギリスで何時もなら受ける刺激が無い訳です。ロンドンの地下鉄でサックス吹いてる渋い黒人とか、ちょっと場末の危険な路地とか、ノッティングヒルの古本屋とか、田舎のフィッシュ・アンド・チップス屋の変なおじさんとか、段ボールで大通りに家作って住んでるホームレスとか、地下にあるカフェで熱く語り合うカップルとか。何でもいいんです、そんな人々を観察したり短い会話を交わして受ける刺激が今年はゼロなんです。何もインプットが無い。何時もヒースロー空港に着いて入国審査のゲートまで歩いて行くときに、息を吸い込むと身体の中にイギリスの匂いが染み込むんですよ。全身にイギリスの匂いが行き渡っていく。あぁ、、イギリスなんだな今僕がいるのは、と先ず匂いで実感するんです。そうすることで脳味噌が英語モードになり不思議と英語が自然喋れる。そこから、イギリス仕様の自分が始まるんです。一年の六分の一はそうやって過ごして来た。それが無いんですね。結構辛いです。贅沢かもしれませんが。
まあ今は店の移転と「そらあるき」の作成で忙しく気は紛れてはいますが、でも何処か枯れてますね気持ちが。電池を充電しないで使い続けてるのに似てますかね。今、電池の残量低いです。残量がゼロになる前に渡英したいと思います。
今の僕の癒しはたまに能登半島に行くこと。今の僕に許される小旅行です。能登はある意味「異界」ですから、何か自分に溜まったものをリセット出来る場所ですね。能登が無かったら金沢には住めません。無理です。能登の素晴らしさは何も無いところです。色んな細々とした楽しみをもたらしてくれるものがなく、代わりにエネルギーがドーンとあるんですよ。だから素晴らしい。金沢は逆。細々とした楽しみがあちこちにある、でもエネルギーは無い。まあ、今年は精々能登通いをすることにします、イギリスの代わりに。