アメリカ大学スポーツで黒人差別をただすために必要なこと
カリフォルニア大学リバーサイド校で教鞭に立ち、「アスリートの権利と公正のためのセンター(the Center for Athletes’ Rights and Equity)」でエグゼクティブ・ディレクターを務めるエディー・コモ―氏がフォーブスに寄稿している。
その内容は大学スポーツにおいて人種の公正性を推進する5つの方法についてだ。
アメリカでは無抵抗の黒人男性に対して警察が発砲した事件をめぐり、プロスポーツ界でボイコットの動きが起きたばかり。
プロと学生の立場の違いはあるとはいえ、人種差別に反対する気持ちは学生アスリートも同じだ。
2016-2017シーズンの統計では、NCAA1部のアメリカンフットボール選手の55%、同バスケットボール選手の56%が黒人選手であった。
なおコモ―氏の指摘によれば、NCAAの黒人選手はその他の人種の選手に比べて補償や支援が厚くなく、6年以内に卒業する割合もその他の人種に比べて15%程度低くなっているという。
警察による発砲という目に見える事象以前に、人種の差が横たわっている現実がある。
コモー氏は「アンチブラックネス」に打ち勝つための5つのポイントを挙げている。
一つ目はスポーツ政策の決定や実行におけるアンチブラックネスの存在と影響から目を背けずにしっかりと認識すること。
二つ目は黒人選手に学校から職業への移行を成功させるための準備をさせること。
三つ目は大学アスリートが名前や肖像を使ってマネタイズできるようにすること。
四つ目は黒人のコーチや上位リーダー層を増やすこと。
そして最後の五つ目は黒人選手がNCAA理事会の意志決定において意見を言えること。
同氏は構造的に確立されている「アンチブラックネス」に挑戦し、変革を起こすには上記の5つのポイントを関係者で共有することが必要であるとしている。