職業訓練の効果について_第75号
本日は、研究論文の構想発表でした。なんとか、クリアいたしました(汗)。
離職者訓練(委託訓練)の質向上に貢献できるような論文にしていきたいと思います。
そこで、本日は職業訓練の効果について、先行研究を引用してみたいと思います。
「公共職業訓練の効果測定手法に関する調査研究」のP23に職業訓練が求職者の就業状態の変化に及ぼす効果について記載しております。
その効果として「訓練受講効果」と「マッチング効果」を上げております。
「訓練受講効果」とは、訓練を受講することにより受講前との差異(一般にはエンプロイアビリティの向上等の変化)が生じ、その差異が受講者の就業状態に変化を及ぼす効果です。
この効果には、「直接効果」と「間接効果」があり、「直接効果」とは、学科や実技による教科指導および指導員による面談(キャリアコンサルティング)やジョブカードによる就職支援を通して受講者へ直接働きかけることによってもたらされる変化である。
「間接効果」には、同じ境遇下にある受講者集団内での相互交流を通してもたらされる就職意欲の維持・向上としての「つなぎ止め効果」と、訓練に通うこと自体で、失業生活のリズムを整えて前向きな求職活動を進める支柱を得る「規律付け効果」があります。
また、離職者訓練では、求人票の背景にある求められる能力要件の傾向を把握したうえで訓練を実施しているために、職業訓練を受講せずに再就職に望む場合よりも能力要件の齟齬は少なくなります。このことは、訓練自体が労働市場に対してマッチングの効果として寄与しているとみられます。このマッチング効果に関する調査項目として、再就職先での仕事内容、訓練で習得した職業能力の職場での活用度、賃金変化(上昇、低下の抑制を含む)、定着率、就業形態等を検討する必要があるとのことです。
私の研究「離職者訓練受講者への心理的支援の研究」でも、「直接効果」としての「訓練受講効果」については明らかにしております。
そして、これからの研究では「マッチング効果」になります。この研究において何らかの知見が得られるように取り組んでいきたいと思います。