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「宇田川源流」【大河ドラマ麒麟がくる】 ブランクを感じさせない大河ドラマの「復活」と今回初めて出た「足利義昭」

2020.09.01 22:00

「宇田川源流」【大河ドラマ麒麟がくる】 ブランクを感じさせない大河ドラマの「復活」と今回初めて出た「足利義昭」


 コロナウイルス禍での撮影中止になったNHK大河ドラマ「麒麟がくる」が8月30日に復活した。この大河ドラマほどドラマの内容以外で話題になるものはないなと思う。

まず始まる前から沢尻エリカ問題である。帰蝶役の沢尻エリカさんが、覚せい剤取締法違反によって逮捕され、ドラマ降板。このことによっていきなり代役というか、準主役が交代しるというような状況になったのである。ただ、その後退した川口春奈さんが、様々な人に心配されながらも、なかなか良い演技であった。

そしてコロナウイルス禍になり、「三密を避ける」ということから撮影が延期され、このことによって、ちょうど「桶狭間の戦い」が終わったところで放映がなくなってしまったのである。その間「麒麟がくるまで待とう」というまあ、今までの大河ドラマの内容になってみたり、あるいは、今回の大河ドラマ麒麟がくるの前半の総集編をするということまであった。まあ、忘れられないようにするということは十分に必要な措置なので、さすがに、「途中で総集編」などと揶揄する人もいなかった。

さて、そのような中で6月末から撮影が再開、そして8月30日に放映が再開したのである。8月30日の放映は、「第22回 京よりの使者」である。

セリフから見てすでに8年間ということになっているが、最後の場面で三好長慶が死んだ描写があったということは1564年(永禄7年)であった。明智城落城が1556年であるから、「越前に来て8年」とは、このことであろう。まあ、そのように考えていると、この時期というのは三好長慶の絶頂期であり、松永久秀などが京都で専横をしていた時代である。

この時期に明智光秀が越前と京都を往復していたかどうかはなかなか難しい。まあ、ドラマなのでその辺のことは良いのであるが、翌年1565年に足利義輝は暗殺されるのであるから、なかなか緊迫した状況になっていたはずである。

麒麟がくる:“やさぐれモード”の将軍・足利義輝が話題 帝に軽んじられ闇落ち?「見ててつらい」の声も

 俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)第22回「京よりの使者」が8月30日に放送され、向井理さん演じる将軍・足利義輝がすっかりやさぐれた姿を披露し、視聴者の関心を誘った。

 第22回は、信長(染谷将太さん)が今川義元(片岡愛之助さん)を討ち果たした桶狭間の戦いから4年後が舞台となった。京では三好長慶(山路和弘さん)が権力を掌握し、義輝(向井さん)は完全な傀儡(かいらい)に成り下がっていた……。

 関白・近衛前久(本郷奏多さん)から、「何故、改元の申し出をなされぬのか」と問われや義輝は、完全にやさぐれモードでため息。前久から、将軍の務めを放棄したかのような態度をとがめられると義輝は、「それがしを将軍と思われますか? 京を治めているのは誰であろう。私ではない。三好長慶です。私には何の力もない」「将軍などと名ばかり。帝(みかど)も私を軽んじておられます」と徐々に感情を高ぶらせ、「帝は私に何も知らせず、勝手に永禄に改元あそばされた。軽んじている証拠。悔しゅうて……」と6年前のことを持ち出し、恨み節。

 さらに、「あのときから私は帝を信用しておりません。帝が何ほどのものですか。武家の後ろ盾がなければ何もできぬではありませぬか」と発言し場を凍らせると、「私は改元など知りませぬ」と言い放つ。

 同シーンに対してSNSでは、「義輝様……」「将軍様のやさぐれぶりが見ててつらい」「やさぐれ将軍」「公方様すっかりやさぐれてしまって」「あ~あ、義輝すねちゃってる」「やさぐれニート剣豪将軍」「将軍闇堕ちしてるやん……」「義輝さまの目が死んでいて心配……」といった声が次々と上がった。

2020年08月30日マンテンウェブ

https://mantan-web.jp/article/20200830dog00m200066000c.html

 いやいや、私が女優のことを言うのはあまり好きではないのであるが、明智光秀の妻煕子の役をしている木村文乃さんがなんとなくよい。私のイメージでは煕子という女性は、「内助の功」ということを言わせたら戦国時代一の女性ではなかったかというように思う。山之内一豊の妻が素晴らしいというが、基本的に馬を駆ってきただけの話である。そうではなく、常に生活を支え、家庭を支え、金を工面し、貧乏の縁にいるにもかかわらず夫に恥をかかせず、体が弱いのに自分の体を全く気にせず、夫をいたわり支え続けた女性である。夫の前では夫に心配かけないように常に笑顔でいながら、夫が驚くようなことをして、自分では気にしないというような女性。このような女性は、なかなかいるものではない。木村文乃さんはその煕子をうまく演じている。「すごいことをやっているのに夫のためであれば何でもこなし、そして当然のことのようにやってのける」女性としてこのようなことができる女性がいたからこそ、明智光秀は歴史に名前を残すことができたのであろう。

さて、一方で出てきたのが足利義昭である。この時はまだ興福寺の覚慶と名乗っていた。兄である足利義輝が暗殺されて、細川幽斎などに助けられ、そして将軍になるのだが、これがなかなか面白い。陰謀好きで常に何か考えているかわからない、偏屈で暗い人間に書かれるのであるが、今回は明るい人物像に書かれている。ある意味で、なかなか面白い設定であると思ってみているのである。

さて、上記の記事にもあるように足利義輝などもなかなか面白く書かれている。ある意味で、やさぐれているともいえるが、一方で、「地位だけあって部下であるはずの三好長慶や松永久秀に専横されている」という役柄がうまう出ている。

演技のうまい人々が集まっているのでなかなか興味深い。意外性のある設定もあるが、それはそれでなかなかうまくマッチしている。その中で「傀儡」となっている人の悲哀などもすべて表されているというような感覚になっているのではないか。

松永久秀など、なかなか興味深い状況になっている。なかなか面白い話になっている。来週以降が楽しみである。全44回というので今回が22回、ちょうど半分であるということが考えれば、まだまだ楽しめるのではないか。人の内面をうまく描くドラマに面白みを感じるのである。