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有価証券評価損計上。実務編。

2020.08.31 00:34

9-7有価証券評価損計上。実務編。

有価証券はその保有目的により

①売買目的有価証券 

②売買目的以外の有価証券(投資有価証券)

に区分されます。

バブル前は、会社の中に、株を毎日売買している専門部署がありました。

こう言った、株を、売買目的有価証券を言います。

経理的には、帳簿に売買目的を記載し、特定の勘定科目で、区分管理しています。

一般的には投資有価証券がほとんどです。

期末の評価額は、

① 売買目的有価証券は期末の時価。

② 投資有価証券は取得原価。

売買目的有価証券は市場価額により毎期末に損益を計上します。

投資有価証券は、原則、取得価額を評価額とし、変更出来ません。

投資有価証券は、原則、期末評価換えは行いません。

ただし、「一定の事実が生じた場合」は、評価損計上可能です。

◯上場有価証券は、「価額(時価)が著しく低下」し、帳簿価額を下回ることになった場合、評価損の計上が認められています。

① 事業年度末に、帳簿価額のおおむね50% 相当額を下回る場合。

② 価額の回復が見込まれない場合。

税務当局は、株価の回復可能性・市場価格の推移や市場環境の動向、業況等を合理的な判断基準が示されれば、その判断を尊重するとしています。

合理的な判断基準は、

証券アナリスト等の個別銘柄・業種別分析や業界動向の見通し、当該法人の企業情報、未回復の根拠があることとされます。

(業界紙・専門誌やアナリスト記事も有効です。)

評価損を計上し、その後に、株価の上昇状況などがあった場合、事後的な事情は判断に影響せず、評価損として損金算入を遡って是正する必要はありません。

◯非上場株式の場合は、破産・民事再生法等の法的事実は別です。

当該法人の事業年度終了日の1 株当たりの純資産価額が、その有価証券を取得した時の1 株当たりの純資産価額に対し、おおむね50% 以上下回る場合、評価損の損金算入可能です。

 (法基通9-1-9)。

有価証券の減損処理は、取得原価の切り下げとして処理します。

その切り下げ額を当期の損失として損益計算書に計上します。

子会社・関連会社株式に、ついても、減損の要否判定可能です。