スコットランドの風景のエッチング
風景画のエッチング(額の大きさ、40 x 34 cm)。スコットランドの風景ですね。時代は1900年頃で、アーティストのサインがありますがよく読めません。最近絵が割と売れます。コロナで家に居る時間が長いことと関係あるのでしょうか。何かを眺めて癒されたい、と感じてる人は多いでしょう。この絵も渋いので飾っても飽きがこないでしょう。
前回、自分の子供の頃のことを書きました。二三人の方に、読んでて辛いものがあった、重かった、と言われました。書いた本人は余り何も思ってなく、淡々と書きました。でも、その医者の男性が隣りにいた看護婦さんに淡々と僕の反応なんか全く関係ない、という感じで、今夜死ぬかもしれないな、と言ったのには驚きましたね。そこでは毎日火傷で爛れた腕の皮を剥ぐんですよ。それが死ぬほど痛くて、数日後、大分県の玖珠地方に温泉治療と西洋医学を併用して治す病院があるというので、40度近い熱の中、唸りながら車で運ばれ転院しました。玖珠に壁湯という温泉があります。その渓流の側にある露天の温泉に両腕包帯をしたまま毎日入りました。その後午後から病院の治療を受けてました。一月の終わりだったので、滞在してた木造の病室の外は一面真っ白な雪でした。少し良くなってくると母親の手に引かれてその雪の畑道を歩きながら、そのときに、お母さん死んだらどうなるの、と一回だけ訊いた記憶があります。母が何を答えたかは覚えていません。自分がそう聞いたことと、周り一面の畑が白かったことが印象として僅かに残ってます。自分が十歳のときに死を意識したその心理的影響とか、そんなセンチなことは考えませんね。ただ、昨日まで綺麗だった腕が一面ピンク色のケロイドで覆われたのは、見てて不思議でしたね。少し前は白い肌だったのに、もう元に戻らないのが分かってても受け入れられなかったです。自分の身体の傷を気にしなくなるのには長い時間が掛かりましたね。毎年夏になるのが、半袖の季節が来るのが嫌でした。
もう半世紀近く前の思い出です。自分の中のある部分はその頃と繋がっていて変わってないような気もしますね。まだ十歳のまま。