【時事】「うらみつらみ五七五」(2020.6.30)
クラスター起こればいいね閣議中
心臓が止まればいいのにあの人の
旧担当「森羅万象」今「棒読み」
君の名はついに「Mr.プロンプター」
送ろうか官邸宛にあのルーペ
会見の切り上げ速い「スピード感」
死んだ目がゴルフになると生き返る
はつらつとヤジと改憲論議だけ
*
選挙まえ都民ファーストあと自己ファースト
調子乗り強気で「排除いたします」
「希望の党」何の希望もなく解散
東京の一丁目一番地はのり弁屋
「密」からの「STAY HOME」で「ウィズコロナ」
大阪に嫉妬アラート照るライト
討論会、質問答えず「自衛」する
『女帝』後に『築地と豊洲』も読んでごらん
*
手洗いが次第にいいかげんとなり
距離とりたい奴に限って寄ってくる
「日常が戻ってきたね」と無神経
「夜の街」廃業つづくよ来月も
求人誌きのう並んで今日すでに無く
合理化がいっそう進むコロナ禍で
プライバシー接触アプリで丸裸
東京人いつもは差別いま被差別
患者数ふえるいっぽう精神科
*
マスコミは今日も嘆くよポーズだけ
バランスを取りて現状追認す
よく喋る「識者」に限って中身ゼロ
思想家を自称しながら思想なし
「知の巨人」誤植じゃないの「痴の巨人」
「ここからは有料です」とほな結構
AIで代替可能いまの記者
匕首を忍ばせ行けよ官邸に
「賭け麻雀」今年の新聞協会賞
*
自主休校「欠席扱い」理不尽な
「コロナ脳」新たないじめ発生し
「夏休み短縮します」と大人都合
「延期せず」共通テストふざけんな
一度きり「青春かえせ!」子の叫び
留学生、文科省から差別うけ
大方の教師は保身に忙しく
子どもたち大人はクズだと気づいたよ
心ある教員くるしみ泣きはらす
*
「天才」が次々つくるベストセラー
どれを読んでも「ゴミ」だった
資材のムダだよ幻冬舎
ついつい見ちゃったあの動画
死ぬこと以外かすり傷?
けっこう重症みたいだが
凡人が天才ねたみ五七五
「変なことしない。でもキスしたい」
三流の自分も言いそでマジこわい
男だと思えば「憎し」自らが
*
本づくり著者にもまさる想いこめ
白焼の出張校正真っ赤っか
オペレーターかんかんになって怒鳴り込み
平身低頭夜10時
終電にダッシュで急ぐ品川駅
明くる日は菓子折り持って平謝り
「西さんはブラックリストに載っています」
見本でき帰りの電車で「誤字」発見?
気のせい気のせい今夜は乾杯!
*
思案橋スナックはしご何軒も
森さんとキャピタリズムを呪い飲む
カラオケでチャゲアス歌う「ひとり咲き」
マスターを相手に飛び出すエセ長崎弁
「のぞき小屋」あるとのタレコミ未確認
途中から全てがあやしく千鳥足
泥酔のバカ編集者を著者が介抱し
ふらついて銅座の沼に「愛の不時着」
*
覚めた目で世の中みれば「新日常」
戦慄す「国家」の〈言語発明力〉
「完敗です」詩人も作家も哲学者も
アブノーマル、今後はそれが「ニューノーマル」
日本国憲法すでに「仮死状態」
コロナ禍は序章にすぎぬ破滅への
ラジオから聞こえてくるよ SEKAI NO OWARI
すばらしい新世界だね1984
*
来るべき大恐慌大災害大飢饉
今後より露骨になるよ差別・排除・切り捨てが
起こるかな暴動それとも安楽死
この国は極東じゃない極右ジャパン
核戦争ありうる未来と予感せし
8.9一家全滅カトリック墓地
死者たちを裏切り続け戦後日本
30代以上は今すぐこの世去れ
13歳きみのボーカル聴きたいな
(編集室水平線・西浩孝/2020.6.30記)