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なにとぞ 〜 ファレホの処方箋 〜

ファレホの各シリーズについて

2023.08.16 11:15

ファレホを知り始めた頃にまずそのシリーズの数の多さに混乱する人も多いかと思います。


ここではワテクシが把握しているファレホのシリーズとその違いについて簡単にですが解説していきます。


・モデルカラー

ファレホの初期の頃からリリースされている基本となるシリーズです。

古くからあるシリーズなので色数も豊富です。

しかしファレホは各色の色味が「個体差かな?!」と思う程に違いが分かりにくいので、どれか近い色を購入して別の色と混色して目的の色を作った方が使いやすい場合があります。


容器はファレホ共通の17mlですが、濃度が絵の具並みに濃いので実はコストパフォーマンスがラッカー系塗料と比べても非常に高いです。


絵の具感覚で使えるので筆塗りに丁度いいです。

エアブラシで吹く際にはある程度溶剤や水等を使って希釈すれば大丈夫ですが、古い塗料の中のいくつかにはカドミウムを使用しているものがあるらしいです。カドミウムが使用されているか否かは容器に貼られているラベルに記載されているらしいのですがワテクシは見た事がありません。古くからある塗料でも最近出荷されたものは中身が安全な材料に置き換えられているのかもしれません。不幸にも古い在庫を入手してしまう可能性もありますので、購入後に一度はラベルの確認はしておくといいでしょう。


基本的にモデルカラーの定着力は他のシリーズよりも弱いです。なのでモデルカラーを使用する際には予めプラ材にプライマー効果のあるプライマーサーフェイサーを塗布しておいた方がいいでしょう。または予めプラ材表面をヤスリで荒くして塗料の食いつきをよくしてあげるのもいいでしょう。


定着力を上げておかないとちょっと触っただけでチッピングしたように塗膜がチョロチョロと剥がれていきます。


・モデルエアー

モデルカラーをエアブラシ塗装し易いように予め希釈されたものです。

色数はモデルカラーよりも少ないですが、塗料皿や攪拌棒等を使わずに容器から直接エアブラシのカップへ塗料を投入する事が出来るので、塗料のムダも発生しにくく非常に手軽で快適です。

容器はファレホ共通の17mlで、予め希釈されているのでモデルカラー程のコストパフォーマンスはありませんが、予め希釈されている事が非常に強みになっているシリーズです。

定着力や性能等はモデルカラーと同じです。

色の種類は主に飛行機や戦車等の塗装に便利な色が揃っています。


・ゲームカラー

ゲームで使用される駒を塗装するために開発されたシリーズです。

塗装後に人が触れる事を前提としているので、塗料の材料も安全な物が使用されていますし、定着力もモデルカラーよりも高いです。

色数はモデルカラーよりも少ないですが、キャラクター物を塗装するのに便利な色鮮やかな色が揃っています。


追記(2023/08/16):

2022年の年末にファレホはゲームカラーをリニューアルしました。

このリニューアルでは様々な変更が加えられています。

例えば...

・容器の改善(クリアなボトルになりました)

・塗料素材の改善

・メタリック系の濃度の変更

・Express Colorシリーズの追加

・Special FXシリーズの追加

・各種新色の追加

・一部色の名称の変更

・一部の色はディスコン

となってます。


Express Colorシリーズはまだ試していませんが、シタデルカラーのLayerやShadeに該当する使い方を考慮されたシリーズで、ディテールの溝が深い部分に塗料が留まる性質を持った塗料です。

Special FXシリーズはまだ試していませんが、フィギュアの嘔吐物等特殊な効果を再現するための塗料です。


一部の色はリニューアル版ではサポートされなくなりました。店頭の商品が全て刷新された場合は入手不可能になる可能性があるので、必要であれば発見次第入手しておく事をお勧めします。



・ゲームエアー

ゲームカラーをエアブラシ塗装し易いように予め希釈されたものです。

モデルエアーのゲームカラー版みたいなものです。


・ゲームインク

ゲームカラーのシリーズの一部ですが、名称とその特性が他のファレホ塗料と結構異なります。

メーカーに確認した訳ではありませんが使ってみた感じだと、基本的には全般的にファレホは顔料系の塗料ですが、このゲームインクは染料系の塗料です。

透明度がモデルカラーの透明系よりも高く、ラッカー系塗料のクリア系のような使い方が出来ます。

ただし、ゲームインクも他のシリーズと同様に艶消しなのでそのまま使うとクリアでもくすんだ感じになります。必要に応じてグロスメディウムやグレーズメディウム等を添加して光沢度や透明度等を調整して使用するといいでしょう。

色数は非常に少ないですが、その特性もあり、持っていると便利なシリーズです。


追記(2023/08/16):

ゲームカラーのリニューアルに伴い、ゲームインクシリーズにもいくつか新色が追加されました。

追加されたのは、

・72.082 White

・72.083 Magenta

・72.084 Dark Turquoise

です。


・メタルカラー

リアルな金属表現が出来るシリーズです。

エアブラシ塗装で使用される事を前提として希釈されていますが、筆塗りももちろん出来ます。

金属粒子が入っているので若干エアブラシで吹く際に詰まりやすいかもしれません。

ボークスの公式サイトではメタルカラーを使用した後の用具の手入れはエアブラシクリーナーではなくエアブラシシンナーがお勧めらしいです。(ボークス公式サイトのファレホミッション Vol.5参照)


色数はそれなりにあるのですが、各色の違いが非常に分かりにくいので、白系、黒系、中間系を好みで選んで購入するのがいいでしょう。

因みにですが、このシリーズのゴールドは黄色の要素が非常に淡いです。


・リキッドメタルシリーズ(アルコール系)

非常に綺麗な金属表現が出来るシリーズですが、水の代わりにアルコールが使用されているので臭いです。

エアブラシ塗装で使用される事を前提として希釈されていますが、筆塗りももちろん出来ます。

他のシリーズは水で希釈やら洗浄が出来るのですが、このシリーズは専用のブラシクリーナー(28.900)が必要です。


ファレホユーザーがファレホを使用している理由は色々あるかとは思いますが、水性である事と臭くない事をメリットとして選択した人も多いかと思います。そういった観点から考えるとこのアルコール系は洗浄も面倒だし匂いは臭いのであまりお勧め出来ません。

このシリーズはゴールドの種類が豊富だし、色味や反射は非常に美しいんですが使い勝手が悪いです。

ワテクシもいくつか購入して使いましたが、エアブラシの洗浄が非常に面倒で使わなくなりました。

でも本当に綺麗ですっ!!


・メカカラー

ガンプラ等のキャラ物を塗装するために開発された比較的新しいシリーズです。

エアブラシでも塗装できるように希釈されていますが、筆塗りももちろん出来ます。

色数は他のシリーズよりも少ないですが、キャラ物に使いやすい色が揃っています。

定着力は他のシリーズよりも高く、プライマー無しでも割りと定着してくれます。

モデルエアーやゲームエアー程は希釈されていないので、ものによっては濃度が濃くなっているかもしれません。

塗料によって濃度が結構違っている事があるので、エアブラシで使用する場合には容器からカップに直接入れる前に塗料皿等に入れて確認しておく事をお勧めします。


因みにワテクシの個人的な意見ですが、このシリーズで特にお勧めの色は金属系のスチール、ライトスチール、ダークスチール、ガンメタルです。色味も吹き心地も良く非常に使い勝手がいいです。逆にあまりオススメ出来ない色はゴールドとオールドゴールドです。隠蔽力が非常に低く、他のシリーズのゴールドに比べるとくすんだ感じになるので、意図してそういった効果を狙う場合以外には使い勝手が悪いです。ゴールドとオールドゴールドの見た目の違いは殆ど無いです。


・プレミアムカラー

もしかしたら日本では取り扱いされていないかもしれませんが、RC等のポリカーボネートに塗装するために開発されたシリーズです。

色数は少ないです。

使ったことが無いのでどのような塗料なのか情報がありません。





これで基本的なシリーズの解説は終了です。

モデルカラーセット、ゲームカラーセット、パンツァーセット等の塗装用途に合わせて既存のシリーズから色をピックアップしてセット販売されたものもあります。

どのセットかは忘れましたが、セット物にしか存在しない色もあったと思います。


セット物にしか存在しない色として、偏光カラーセット(The SHIFTERS)があります。偏光カラーは単品では販売されていません。(日本だと販売されているかもしれませんけど。)


これら基本色のシリーズ以外には、ウォッシング用のWASHシリーズや物体の表面の凸凹等を表現するために使用するピグメント、透明度や艶等の塗料の特性を変えるメディウム等が色々あります。


・カラーとエアーの違いについて

実際に全てを比較した事はありませんが、モデルカラーとモデルエアー、ゲームカラーとゲームエアーはそれぞれ同じ名前の色がありますが、基本的にはエアブラシ用に希釈されているか否かの違いだと思います。

ただ、ゲームカラーのグロリアスゴールドとゲームエアーのグロリアスゴールドは、粒子感や色味が結構異なります。もしかしたらこれらのシリーズで金属系の色は似たような違いがあるかもしれませんのでご注意ください。