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「風力発電問題」~真実はどこにある?

新温泉町風力発電事業にストップを! ~工事の概要【保存版】~

2018.06.27 11:13

 私たち「いのちをつむぐ会」は、この素晴らしい自然を護るために活動しています。

そのためにも、大規模な自然を破壊するこのたびの日本最大級の風力発電事業を許すわけにはいきません。


 会社が「EQUIS ENERGY」から「VENA ENERGY」に変わったのは先日のブログで述べましたが、それに伴い職務執行者も「アダム・ベルンハード・バリーン」から「二ティン・アプテ」へと変更になっています。




1、風力発電の計画地をしっかりと知る

 

 説明会で事業者から配られた地図は、地名が書かれていなく、誰もが自分の地域のこととしてとらえていないのではないかと思い、グーグルマップで作成してみました。

 赤いラインが巨大風車の設置区域です。


金屋から熊谷から久斗山へと続く上のラインに風車6基。

久斗山、熊谷、伊角に囲まれた右のラインに風車3基。

熊谷、伊角、高山、数久谷に囲まれた真ん中のラインに風車4基。

数久谷、井土、湯村に囲まれた左のラインに風車3基。

歌長、高山、桧尾に囲まれた下のラインに風車5基。

計21基です。


 自分の地区のこんなに近くに150メートルもの風車が建つんですよ。

こうして地名を書き入れてみると、いよいよリアリティが出てきましたね。

しかしこの風車の設置場所は具体的に方法書に記載されていないのです。




2、風車の建設工事の内容を知る

 

 土木工事、風車の搬送・据え付け、電気工事がそれぞれ行われます。

詳細についてはこの会社と兄弟会社であるくにうみウィンド1号合同会社による中里風力発電の計画書を見つけたので貼り付けておきます。

https://www.google.co.jp/search?q=%E9%A2%A8%E8%BB%8A+%E5%9C%9F%E7%A0%82+3%E5%8D%83t&oq=%E9%A2%A8%E8%BB%8A%E3%80%80%E5%9C%9F%E7%A0%82&aqs=chrome.1.69i57j35i39.9067j0j8&sourceid=chrome&ie=UTF-8



 さて、工事内容はだいたい以下のように分けられるようです。


準備工事

●伐採

 風力発電用地、仮設道路、連結変電所用地などの伐採を行います。

 

道路工事

●仮設道路造成

 アクセス道路の造成、既成道路の拡幅を行います。


風力発電工事

●用地造成

 基礎部分、取り付け道路の区域を整地し、ヤードを確保します。巨大風車の基礎は大きなものになるでしょうし、かなりの面積が切り開かれるはずです。


●基礎工事

 掘削し、基礎杭打ちをし、その後基礎コンクリートを打設します。風車が大型であればあるほど大きな面積での基礎工事が行われ、大量の土砂が出ます。

「発生土は原則として対象事業実施区域内で全て処理し、場外への搬出は行わない計画である」と「方法書」に書かれていますがどのように処理されるのでしょうか。

 谷を埋めるとするならば、地形を変えることとなり非常に危険です。


●風車部品搬入

 海上輸送された大型部品(風力発電機、タワー、ブレード等)は浜坂港より搬入されます。方法書によると金屋口から熊谷へのルートと、湯村経由で歌長から高山へのルートが提示されています。

 150メートルの風車ですから、ものすごい大型な部品になることは間違いないでしょう。金屋口-熊谷ルートも、歌長-高山ルートも、かなり大きな道幅が必要となるはずです。


●風車据付工事

 大型クレーンで巨大風車を組み立てていきます。

 タワーを建て、発電機の収められたナセルをタワー上部に設置し、地上でハブとブレードを組み合わせたローターをナセルに取り付けます。


送電線工事

●風力発電機間

●風力発電機から連系変電所間

 送電線を地中に埋め込むということです。


連系変電所工事

●変電所建設

 発電した電気の電圧や周波数を整えて電力会社の系統に連系します。今回は関西電力の鉄塔に繋げるためには電圧を揃える必要があるため変電所が必要なのです。



 風力発電事業とはこのような工事が行われるのだということを、まず皆さんに知っておいていただきたいです。




3、工事区域と工事車両進入道路を知る

 

 説明会で事業者より配布された地図を今一度見直してみます。

方法書を縦覧してみたものの、なぜかそれに対する記述が一切なくて不満に思ったのですが、よく目を凝らすと、地図にそれらしい細細道のようないものが書かれているではありませんか。

 こんな適当でいいのかと憤りながらも、その道路を予測してみました。

対象事業実施区域に向かって数か所細い白線になっているところをアクセス道路と見立て、地図を拡大してみます。


①七釜からのアクセス道路

 七釜温泉街からの道が途中まであります。

これを拡幅し、その先は整地し道を付けていくのです。

ときわ旅館の裏の方を通る道を使うようですね。

 ここを拡幅するのは相当厳しいと思います。

もしここを使うとなれば、七釜の人たちへの説明は欠かせないでしょう。


②正法庵からのアクセス道路

 正法庵にある県指定郷土記念物の大スダジイの奥へと道路を作ります。

とんぼの里公園の横をさらに奥に進む道です。


③藤尾からのアクセス道路

地図の真下へと続く道なき道があるようです。

この道なき道は、地図に見られる山間部の大きな空白地へと続いています。

 いったい過去この場所になにがあったのでしょうか。

なにかしらの遺跡であると思われます。

 新温泉町歴史文化遺産に藤尾の「亀谷たたら場」という記述がありましたが、そうなのでしょうか。

 藤尾からは遠く、熊谷からすぐ近くにありますが、この大きな空白地の住所は藤尾になっています。

藤尾の村の奥へ奥へ進む舗装されていない道です。ここを使うようですね。

かなり谷深くまで続いているようです。


④藤尾・境間からのアクセス道路

藤尾から境へ向かう狭い道路からやや広がった場所です。

地図の県道257の表示のすぐ右辺りから下へ伸びている部分です。

うっすら山へ分け入る道がありますね。

グーグルストリートビューでもこの道には入っていませんでした。


⑤久斗山からのアクセス道路

地図の県道257の表示のすぐ右辺りから下へ伸びている部分です。

うっすら山へ分け入る道がありますね。

グーグルストリートビューでもこの道には入っていませんでした。

久斗山小学校跡を奥へ進んでいく道を利用するようです。

ここで牛を飼っておられるお宅の右を進みます。

舗装から砂利道に変わっています。ここまでしか確認できませんが、まだまだ奥に道は続いていますね。


⑥熊谷(仁連寺栃谷口間)からのアクセス道路

土堂(つちんどう)という仁連寺から栃谷口への向う大きなカーブのところから、下へ向かう道があります。

県道から脇に入る道があるのです。

細いですが舗装された結構しっかりとした道が続いています。

まだまだ先まで続いていますが、ここまでですね。


⑦熊谷(香椎神社から栃谷口間上部)からのアクセス道路

香椎神社付近から地図の上へのルートです。

この辺りは道が大きく描かれていますし、既存の道もほぼ利用しないようです。

多分大型部品の通路になることかと思われます。

グーグルマップ2013年のものなので道がありませんが、現在では舗装されていない道が少し奥までできています。


⑧熊谷(香椎神社から栃谷口間下部)からのアクセス道路

香椎神社より栃谷口寄りの場所、地図の右下へ道を通すようです。。

既存の道は全くない場所と思われます。

ここも地図に大きく道幅がとられているように見えますし、大型部品を搬入する道路になるのでしょう。

いずれにせよ栃谷口は上部も下部も大規模な工事が入ることが予測されます。


⑨熊谷(大熊)からのアクセス道路

大熊の一番上のお宅辺りから地図の右の方に向かうルートがあるようです。

グーグルマップの550の表示のやや上から右側へ向かいます。

既存道路はありません。


⑩大熊伊角間からのアクセス道路

この辺りから左側に向かって道ができるようです。多分人の歩く道はあるのだと思います。

 既存道路はないように思いますので、人の歩く道を拡幅すると思われます。


⑪伊角からのアクセス道路

伊角に入る最初の家のすぐ上の辺りから右に向けて道路ができるようです。


⑫伊角の真っただ中のアクセス道路

伊角の村中の道も全体的に白枠に覆われています。地図の真ん中より下の方の道は狭くなっていますので、部分的に拡幅しなければならないのかもしれません。


⑬歌長から高山へのアクセス道路

地図ではちょっとよくわかりませんが、この場所もかかっています。

方法書によると、大型部品は浜坂港から湯村を経由し、9号線の歌長の点滅信号の交差点より高山へと上るルートが提示されていました。

 とはいえこんな直角のような場所ですから、本当に使用するためには大規模な改変が必要となるでしょう。


⑭9号線より春来へ上るアクセス道路

ここも進入路として検討されているような感じです。

ま~やろうと思えばどこからでも強引にやってきますよね。



【まとめ】

 これらが風力発電施設へのアクセス道路の予測です。

多分のこの中のどれかが採用されるのではないかと思うのですが、はっきりいって、こういうことが環境影響評価方法書に記述されていないことは、重大な問題なのです。


 どのような環境への影響があるかを調べる方法を記したものが方法書です。

これに従って環境調査が入ります。

 ということは、これらの道路が環境に与える影響については調べないつもりなのでしょうか。


 おそらく風車の羽がものすごく大きいため、どこを使うとしても道路の大規模な改変はまぬがれません。

 巨大風車を運ぶ進入路は、6メートルの道幅が必要ではないかと聞きました。

まさにそれ自体環境アセスメントが必要な別事業といういうほどの莫大な工事だと思います。


 そんな中、道路が付くことさえ知らないその村の人たちは、突然の道路封鎖の案内が来て大きな驚きと不信感が湧くのではないでしょうか。


 事後報告にされないように、みながそれぞれ勉強し、その方法書の不備をしっかりと問い詰めていこうではありませんか。

 無茶苦茶にされてからでは遅いです。