【練習法】高く跳ぶための「倒立ドリル(Pop-up Drill)」をしよう!
『The “Pop-up” Swing Up Drill』
--- "The Pole Vault -A Violent Ballet", p.136より
“pop-up”ドリルは、おおよそグラスファイバーポールが登場した頃から、長年にわたって行われています。これは、練習や試合に向けた伝統的なウォームアップの動きとして行われています。
基本的に、選手は6~8歩助走で、曲がらないポールを使用し、スイングをして、背中からマットに着地します。
一方で、pop-upは、ウォームアップやドリルとしての目的だけでなく、「技術的な改善」のために用いるべきドリルです。
伝統的な方法では、選手が左腕を「先に曲げる」ことで、スイングをして、ポールの側面を通過し、マットに背中から着地させるようにします。
左腕の進展を“躊躇し、止める”または“先に曲げる“ことは、選手がスイングし倒立することを簡単にする(ショートカットする)引く動作です。多くのコーチはいまだに、選手がスイングをするとき、ポールの内側へ「左肘を曲げるよう」に教えています。
これは、選手が行うべき動きとは逆の動きです。このような古い“肘を曲げる” pop-upドリルはすぐに止めるべきです。
pop-upドリルでは、ポールの先がボックスに当たる前に、両腕をほぼ完全に伸ばします。
左腕は肘がやや外側に曲がり、選手(の体)は、肘を通り越すように進みます。
この高い突っ込みの角度により、お尻とスイングは加速し、より速く、そして、より高く進み、さらにポールスピードが高くなります。
選手がポールを突っ込む時は常に、踏切時に“両方の”腕は頭の上にあるべきです。
選手は、ポールを回転させるために、ポールがボックスに当たる直前とその瞬間に、十分に腕を伸展させて、体とポールの間に十分なスペースを作らなければいけません。
ここで、適切なグリップ幅であることが重要になります。 なぜでしょう?
選手は、ポールを斜め上方向に押すことと、完全に進展した状態での突っ込みを“同時に”行わなければいけません。これは、クリーンアンドジャークやスナッチなどのウェイトリフトのような考え方です。
選手の突っ込み動作の成長には段階があります。ほとんどの初心者は、顔の前に握りがくる“fiber nose”で突っ込みます。次に、練習すると、少し高い位置で突っ込めるようになり、額のすぐ上に握りがきます。
そして徐々に、伸展が高くなることで、ポールの回転が速くなり、さらにグリップが高くなります。
これまで何度も述べたように、narrow grip(狭いグリップ)とhand shift(ハンドシフト)は、選手に対して、踏切時に伸展することに自信を持たせる優れた方法です。
古いpop-upドリルは、棒高跳を教えるために価値のあるトレーニングですが、選手が自信と経験を積むにつれて進化させる必要があります。
古いスタイルの“先に曲げる”、 “止める突っ込み”、 “肘を曲げる”動きは、本質的には“pull vaulting(引く跳躍)”に繋がります。
コーチは、「両腕」と、選手の頭と体がポールと一体となり、そして伸展した両腕を通り過ぎるようにスイングする動きができているのかを常に確認します。
選手がポールを突っ込む時はいつも、上の手だけでなく、両方の手が頭の上にあります。
また、選手はアンダー(近い踏切)ではなくオン(ちょうどいい位置)で踏み切る必要があります。 ちょうどいい位置で踏み切れば、ボックスに突っ込む前に腕を完全に伸ばすことができ、ポールの角度が高くなります。
Pop-upドリルを用いて、選手が踏切時により伸展することを学ぶことを補助しましょう。
またこのドリルを用いて、腕を引きながら、ターンし、胸やお腹で着地すれば、“vault for distance(棒幅跳び)”もできます。
初心者にとってPop-upドリルは、テクニックを洗練させるために何度も繰り返すことができます。
(Translate: 榎)
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