中印紛争は終わらない。
さらに宗教も絡む可能性も
こんにちは、コームナタ編集長のakiです。
今回取り上げる記事はこちらです↓
「Indian special forces soldier killed in skirmish with Chinese troops(インドの特殊部隊の兵士が中国との軍事衝突で死亡した)」
イギリス・ガーディアン紙、現地2020年9月1日21時58分配信
インドと中国の間には国境の係争地帯があります。今年の6月、この場所で45年ぶりに死者を出す軍事衝突が双方の間で起きました。それ以来事態は沈静化したと思われ、日本でもこの事件に関する報道はぱったりとなくなっています。
しかし、ここにきてインド側が「再び衝突が起き、インドの兵士に犠牲者が出た」ということを発表しました。中国側は否定しているとこの記事は報じています。
さらに、カタールのアルジャジーラ英語版ニュースは、この犠牲になった兵士が「チベット族」であると伝えています(https://www.aljazeera.com/news/2020/09/indian-special-forces-member-killed-china-border-skirmish-200902010505237.html)。この可能性については冒頭に挙げたガーディアン紙も報じています。
中国政府により祖国を追われているチベット族
このチベット族というのはもともとは中国の領土内で生活し、「守護者」と言われるダライ・ラマの下でチベット仏教を崇拝していました。しかし、ダライ・ラマをはじめチベットに住む多くの人々は中華人民共和国の成立と同時に武力により排除され、ダライ・ラマを含め多くの人がインド側の国境地帯に亡命しています。
ウイグル族の問題がここまで世界的に広がるまでは、中国の民族問題でもっとも世界的な認知が高い問題はこのチベット族の問題でした。
ガーディアン紙によれば、自らを祖国から追放した中国と対抗したいという思いから、インドの国境警備の兵士となったチベット族の人は多いということです。ですから、チベット族の人が武力衝突で死亡することは十分可能性があることのようです。
もし、チベット族の兵士が本当になくなっているとすると、中印両政府に加えてチベット族という第三者を巻き込んで騒動が泥沼化する可能性があります。今後注視していくべき問題です。
お読みいただきありがとうございました。
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