Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

dlife 爺の生き様。

爺の奥は既に細し。

2016.07.06 11:03

月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。

舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。

古人も多く旅に死せるあり。

予もいづれの年よりか片雲の風にさそはれて漂泊の思ひやまず。

海浜にさすらへ去年の秋江上の破屋に蜘の古巣をはらひて、やゝ年も暮、春立る霞の空に白川の関こえんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。

爺はただ消え行くのみ。