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麻雀ぐぅ~ぐ

9月4日 晴れ

2020.09.04 05:48

こんにちは。麻雀ぐーぐです。


今日は前置きなしで昨日の続きを書いていきましょう。


私、三色おじさんに一度聞いたことがあります。どうしてそんなに三色にこだわるのかと。

三色おじさんの返答はこうでした。


「あんちゃんよー、三色ってのは麻雀の華であり基本だ。タンヤオでも平和でもない。三色なんだ。」


答えになっていません。


私にできることは寝言は寝て言えという言葉を飲み込み、苦笑いで、そうなんですか、と返すことだけでした。


「俺はよー、三色さえアガれれば麻雀の成績なんてどうだっていいんだよ。」


三色おじさんの麻雀はお世辞にも上手いとは言えませんでした。まだ若かりし頃の私でもすぐにわかる程、三色おじさんの麻雀は拙いものでした。


いつもよれよれのシャツの胸ポケットに千円札をパンパンに詰め込んで雀荘にやって来ますが、帰る頃には必ずポケットは薄っぺらくなっていました。ひたすら三色ばっかり狙って打ってるんだから負けるのは当然です。


ただ、三色おじさんは誰よりも楽しそうに麻雀を打ちました。

明るく陽気な性格で美味しい相手とあり、メンバー、常連、みんなから好かれていました。



ある日のことです。


いつもの通り場末の重たいドアを開けると1卓が稼働中でした。

後ろ姿ですぐに三色おじさんとわかります。


下家には見ない顔の強面のサラリーマン風。恐らく新規。

対面にメンバー。

上家には常連のラーメン屋の店主。


三色おじさんが私の方を振り返り、目だけで挨拶するとすぐに卓上に視線が戻ります。


「よー、あんちゃんよー、今日はダメだ。一回もアガレねーよ。次代わってくれよ。」


下家の強面が、一回もアガレないは嘘だろうという顔をしていますが、もちろん他の2人は何のことかわかっています。


私は待ち席から三色おじさんの戦いを見守ります。

淡々と局が進みオーラスになりました。


相変わらず三色ばかり狙っている三色おじさんは当然点棒がありません。上の3人の熾烈なトップ争い。点棒状況は以下の通りでした。


親 強面   32500

南 メンバー 32100

西 ラーメン 32000

北 三色    3400


三色おじさんの配牌はこうでした。


オーラス 北家 ドラ西

一三五七八③④⑤⑥⑦34東南


すぐに5を持ってきて一切り。次巡、八を重ねて当然の七切り。


三五八八③④⑤⑥⑦345南


僅か3巡目にしてこんな手になりました。三色おじさん的には超絶チャンス手です。


「最後くらいアガって終わりてーなー。」


見てるこちらも自然と応援してしまうような魅力が三色おじさんにはあります。


5巡目に上家から四が切られますが声は掛けません。三色おじさんは面前三色の方が好きなのを私は知っていました。


しかし、無情にもこの四に下家の強面が遅れ気味にポンの声を発します。

次巡、対子落としだった上家が4枚目の四切り。


いつもテンポ良く打つ三色おじさんの動きが珍しく止まります。

この四を鳴かなければ三色おじさんにアガりはありません。


三色おじさんは絞り出すようにしてチーの声を発します。


八八③④⑤⑥⑦345  チー四三五



ふと嫌な予感がしました。

私は急いで点棒状況をもう一度確認します。上の3人の点差は500点以内でした。


私の悪い予感は的中してしまいます。

すぐに持ってきたアガリ牌である②を悠々とツモ切る三色おじさん。


・・・マズイ。


次巡、待望の⑤を持ってきて誇らしげにツモの宣言をする三色おじさん。


「500-1000」



・・・このツモアガリで3着に落ちたことを理解し、河と三色おじさんの手をもう一度確認した下家の強面の顔がみるみるうちに赤くなっていきます。



「ふざっけんじゃねーぞ!!!!」



まあ場末の雀荘ですから、当然そうなります。

三色おじさんが②でツモアガっていれば強面のトップでした。


すぐにメンバーが間に入りますが、強面の興奮は収まりません。今にも三色おじさんに飛び掛かりそうな勢いです。


「すまんなぁ。。」


「よー、わりぃな、あんちゃん代わってくれ。。」


帰り際、あんなに寂しそうな三色おじさんの姿を見たのは初めてでした。




・・・三色おじさんの姿を見たのはそれが最後になりました。

風の噂では大きな病に罹ったとかなんとか。。


まあ雀荘での噂なんてあてになりません。

私は、いつかまたどこかの雀荘で三色おじさんの元気な姿を見れるんじゃないかと思って、以来、雀荘巡りの旅を続けていますが、未だに巡り合うことは叶いません。


三色おじさんは若かった私にとてもとても大切なことを教えてくれました。

それは、当たり前のことなのですが、フリー雀荘で麻雀を打つ理由なんて人それぞれだということです。


とにかく何でもいいからリーチを掛けてツモって裏ドラを捲るのを趣味にしているリーチリーチうるさい奴もいれば、三色をアガることに全てを賭けているおじさんもいるわけです。


自慢にも何にもならないんですが、これ以降、私は雀荘で誰がどんなアガりをしようが絶対に心が揺れることはなくなりました。


オーラス、断ラスのお客様に、やることないからと山越しされての狙い撃ちをされても、それがそのお客様の楽しみ方なんだなと思えば、笑って流せるわけです。



・・・嘘つきました。

やめて。そういうのは。絶対。よくない。



で、ですね、自分でも驚きなんですが、実はこの記事、ここまで丸っと前置きなんですね。

これを踏まえてメンバー規制の話を書いていきたいわけです。


つまり何が言いたいかというと、私は、メンバーとして働いているときはもちろん、お客さんとして打ってるときも人の麻雀の打ち方に関してとやかく言うことは絶対ないわけです。

まあ冗談で、振り込んだときにそんなのリーチでしょー!とかしょっちゅう言ったりしますが、あくまでも冗談なわけです。


唯一怒ることがあるとすれば嘘をつかれたときくらいでしょうか。

俺はアガラス(オーラスアガって4着)なんてしたことねー!なんて言ってる人が平気でアガラスしたりすることがあるのが麻雀です。そういう相手には静かに制裁を加えます。狙い撃ちです。


で、そんな私ですから、メンバー規制には反対派な訳です。

好きに打つのがフリー麻雀だろうと。それが三色おじさんイズムだろうと。


まあどうしても接客業という面がある以上しょうがないことは多々あるんですがね。


というわけで、以前書いたメンバー規制の話の続きを書いていきたいんですが、まあおわかりの通り、とりあえずこの記事は一旦ここで終了です。


長すぎです。


はい、もう皆様わかってますよね?こんな記事を書いているということは、本日のぐーぐは暇という事です。金曜日の昼間はどうも弱いんだよなぁ。


では、皆様のお越しを切に願っております。