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市長答弁「この機会に新たな方式の検討を」ー町田市議会令和2年度第3回定例会一般質問①

2020.09.04 12:45

毎度恒例?市議会定例会質疑レポート。令和2年度9月議会の中学校給食に関する質疑についてお伝えしていきます。
今回は、一般質問初日から驚くべき事態が起こりました。

※なお、本会議録画より私どもが書き起こしたものであり、正式な議事録ではありません。


●公明党 松葉ひろみ議員一般質問(録画はこちら


松葉ひろみ議員:

中学校給食について、その2。

新型コロナウイルス感染症の影響で、学校再開が遅れていましたが、6月から中学校給食も再開されました。

1学期も終わり、昨年の無料試食会の結果を踏まえた取り組みを進めてきたところだと思いますが、その進捗状況についてお伺いします。

また、今後も新型コロナウイルス感染症による昼食への影響が心配されるところです。状況によっては、中学校の生徒全員に、食の提供を求められることも考えられます。6月の定例会では、こうした非常時における食の提供という点で、「課題改善に向けた他の手段についても研究を進める」との教育長のご答弁がありましたが、研究は進んでいるのか、また、これらを踏まえた今後の中学校給食の方向性についてお伺いします。

(1)給食開始後の取り組み状況と喫食率について

(2)非常時における食の提供についての研究状況は。

(3)今後の方向性は。


学校教育部長:

項目2「中学校給食について(その2)」にお答えします。

まず(1)の、給食開始後の取り組み状況と喫食率についてでございますが、2020年度からの取り組みとして、日々の給食メニューのカラー写真を掲載した、新しい献立表の配布を始めております。視覚的にわかりやすい献立表は、給食の提供内容をよりイメージしやすいものとなっております。

また、中学校給食予約システムに利用登録をした1年生に、5食分の給食費を無料提供する取り組みについては、利用促進のPRのため、6月の学校再開以降にチラシを2回配布し、あわせてホームページにも案内を掲載いたしました。

その結果、2020年7月末時点で63.7%の1年生が、給食予約システムに登録をしております。

中学校全体のシステム登録率は63.4%であり、前年同月との比較で11.3ポイント上昇しております。同じく7月末時点の喫食率は前年同月との比較で、1年生が13.5%で4.1ポイントの上昇。2年生が10.7%で2.2ポイントの上昇。3年生が9.3%でマイナス0.8ポイント。全体では11.2%で1.9ポイント上昇しております。

3年生の喫食率は減少したものの、1年生は大きく上昇し、中学校全体の喫食率も上昇いたしました。新型コロナウイルス感染症の影響によって、システム登録率や喫食率が下がることはありませんでしたが、システム登録率の高さが、喫食率に反映するものではないことが改めてわかりました。

次に(2)の、非常時における食の提供についての研究状況についてでございますが、現在の中学校給食の外部委託では、全生徒の半数程度に給食を提供できる体制となっております。非常時の対応で、急遽、生徒全員に食の提供を行うことができるか、受託事業者に確認したところ、「体制を整えておくことが可能であるが、そのためには新たな施設整備を行うこと、常に人員を確保しておくことなど、一定の準備が必要になる」とのことでした。

町田市と同様のデリバリー方式にて給食を提供している近隣自治体にも調査を行いましたが、受託事業者と非常時に給食を提供するような契約や協定を結んでいる事例はありませんでした。

現行方式においては、実際の給食の提供数が少ないにもかかわらず、施設整備や人員確保に多額の費用をかけて、これらの体制を整えることは現実的ではないと考えております。

最後に(3)の今後の方向性は、についてでございますが、今年度は、昨年度の無料試食会の結果を踏まえて、現行方式を充実させるための対策を講じている段階でございます。今後も引き続き、中学校給食の利用促進に向けた取り組みを進めてまいります。

また、非常時における食の提供については、距離的な課題や配送可能箇所数の問題もありますが、例えば受託事業者で炊き出しなどの簡易な方法を実施できるかどうかなど、他市事例の調査を含め、さらに研究を進めてまいります。


松葉議員(再質問):

最後に、中学校給食になります。

給食の喫食率については、前年同月と比較して上昇していること。特に1年生の喫食率が大きく上昇しているということがわかりました。

今後はさらなる喫食率の向上のためにこのような取り組みを予定しているのか。また、これらの取り組みを進めて、今年度の目標である喫食率30%に続くとお考えでしょうか。


学校教育部長:

はい。今後の取り組みといたしましては、無料試食会のアンケート結果で要望が多かった献立のリクエストをとり、生徒の希望を献立に取り入れることについて、取り組みを進めてまいります。すでに6月に、献立募集のチラシを全生徒に配布し、58.8%の生徒から回答をいただいております。この結果を10月以降の給食に反映し、献立表にリクエストした献立であることがわかるように明記していく予定でございます。

次に、給食容器の入れ替えを実施いたします。こちらも6月に生徒からアンケートをとり、それを踏まえて、10月から19校中10校分の給食容器を切り替えて給食のイメージアップを図ってまいります。

これらの取り組みのほか、予約システムには登録しているけども利用していない子へのアプローチを進めることなどを行いまして、目標の喫食率を達成できるように努めてまいります。


松葉議員:

ありがとうございます。次にこれも無料試食会のアンケート結果で要望が大きかった「温かい給食が食べられること」「量が調整できること」についてですけれども、これらの調査研究は進んでいますでしょうか、また今後の実現性についてはいかがでしょうか。


学校教育部長:

はい。温かい給食の提供方法につきましては、7月に業務用大型電子レンジを使用している自治体を視察し、コスト面をはじめ、給食を加温する手順や提供するまでの流れ、喫食の様子などの話を伺ってまいりました。

この自治体の導入コストを参考に、生徒の30%が喫食すると想定し、町田市に導入する場合の試算を行ったところ、全校分の大型電子レンジの購入に約1億5500万円。年間の維持管理費に約3600円の費用が必要になることがわかりました。

また、大型電子レンジで給食を温める作業を行うスペースは、調理室に準じた衛生管理が求められるため、各校の配膳室の拡充工事に数億円が必要になることはわかりました。

そのほかにも、ランチボックス方式を実施してから後に汁物の提供を開始した自治体や、おかずのみを温かい食缶で配送している自治体の調査を進めております。

給食の量の調整については、ご飯の量あるいはおかずの量を選択できる自治体の調査を進めているところでございます。

今後、他市の事例を町田市に導入した場合の効果や、施設整備にかかる費用、学校生徒への負担などを考慮すると、難しい部分があることは認識しております。以上です。


松葉議員:

はい。給食の利用促進に向けた取り組みや温かい給食が食べられること、量が調整できることの調査研究、また非常時における食の提供に対する研究など、現在の状況はよくわかりました。

献立募集に対して約6割の生徒が応募したというのは、大変興味深く感じました。また、容器の入れ替えについては、私も議員になって間もない頃に提案させていただいた記憶がありますが、食事は目で楽しむ一面もありますから、大事なことではあると思います。

現行方式に対する改善の取り組みについては、引き続き進めていただきたいとは思いますが、今年度に実施する取り組みだけではやはり、目標の喫食率に届かない可能性が高いのではないかと思います。また、現行方式における今後の温かい昼食や量の調整に対する改善策については、市でも課題が多いと認識しており、実現性が不透明でもあります。

さらに、非常時における食の提供のことも考えると、現行方式では限界があるのではないかと思います。現行方式の改善だけでなく、今後は他の方式についても検討する必要があると思いますがいかがでしょうか。

ぜひここで市長の考えをお聞かせいただければと思います。


議長:

……市長。


町田市長:

古い話で、町田市の中学校給食は2005年度に導入をいたしました。

給食が全校に導入されたのが2009年度、そのときの喫食率は32.5%でありました。昨年度2019年度は9.6%まで落ち込んでおります。

こうした状況を改善しようということで、昨年度は無料試食会を実施したところであります。

今年度、2020年度も利用促進に向けた取り組みや調査研究を進めておりますが、利用者を大きく増やすには至ってはいないというのが現状であり、それを受け止めているところであります。

また今般の新型コロナウイルス感染症拡大という非常時におきまして、通常の給食から簡易的な食事の提供へ迅速に切り替えることが難しいという新たな課題も認識をしたところであります。

新たな課題に対応する、新たな対応策を求められるというふうに思っております。

こうしたことから、町田市の中学校給食につきましては、この機会に大きく見直す必要がでてきた、というふうに認識しております。今後新たな給食の提供方式についても検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 


松葉議員:

大変にありがとうございました。「新たな給食の提供方式についても、検討を進める」というご答弁でした。これは大変に大きな意味があるご答弁と受けとめました。センター方式や親子方式など、様々な手法があると思います。

これから検討するにあたっては、例えば学校の改築・改修時、また閉校後の学校の土地活用なども念頭に置き、災害地にも食の提供ができる防災機能を強化した、例えば防災食育センターのようなものであれば、避難所にも食の提供ができます。5カ町村に設置をすれば、ぜひ市民の安心にもつながるというふうに考えます。ぜひ大きな視点に立って多方面からご検討いただきたいことを申し上げ、今回の一般質問を終わります。

ありがとうございました。

(了)